ニューロフィラメント軽鎖 – トランスレーショナルバリューの高いバイオマーカー
神経変性疾患研究におけるバイオマーカーとその使用は、研究の新分野を画定し、前臨床疾患モデルと患者における疾患進行の評価との間に重要なつながりをもたらす可能性がある。
神経細胞の細胞質タンパク質であるニューロフィラメント軽鎖(NF-L)は、軸索の損傷に起因する様々な神経細胞疾患で増加する。
筋萎縮性側索硬化症患者では、NF-Lレベルの強い上昇が認められた(
家族性アルツハイマー病モデルマウス5xFADでは、血漿中のNF-Lレベルの上昇が6ヶ月齢ですでに観察される(図2A)。 さらに、5xFADマウスでは、9ヵ月齢でCSF NF-Lレベルの強い上昇が検出される(図2B)。 さらなるマウス系統は、Loefflerら2020年に発表されたように、SCANTOXによって特徴づけられた。
さらにSCANTOXは、アルツハイマー病協会の脳脊髄液バイオマーカーの外部品質管理プログラムに定期的に参加し、ヒトサンプルのNF-Lを測定している(Mattsson et al.)
図1:
24週齢、27週齢、30週齢のSOD1-G93Aマウスの血漿中のNF-Lレベルはpg/mLで、非トランスジェニック同腹子(ntg)と比較した。
二元配置分散分析(Tukeyのポストホックテスト付き)。
平均値+SEM。
*p<0.05; ***p<0.001。
*ntgとの比較;#年齢群間の差。
図2:5xFADマウスの血漿および髄液中のニューロフィラメント軽鎖の定量。 A:3、6、9、12ヶ月齢の5xFADマウスの血漿中NF-Lレベル(pg/mL)を非トランスジェニック同腹子(ntg)と比較。 二元配置分散分析とBonferroniのポストホック検定。 B:9ヶ月齢の5xFADマウスの髄液中のNF-Lレベル(pg/mL)をntgと比較。 対応のないt検定。 AおよびB:平均+SEM。 *p<0.05; **p<0.01; ***p<0.001。