二者択一水泳テストは、手続き学習能力と反転学習能力の両方を測定することを目的とした視覚的弁別課題である。 このテストの特徴は、運動障害の影響を受けずに選択精度を測定できるため、中程度の運動障害を持つ動物でもテストが可能なことである。
装置は水を満たした廊下のような水槽からなり、一端が照明されている。 隠されたプラットフォームは水槽の暗い方か照らされた方の端に置かれ、光がネズミの環境的手がかりとなる。 マウスは常に水槽の中央に置かれる。 課題の獲得段階では、各動物は光に向かって泳いだり、光から遠ざかったりしてプラットフォームを見つける訓練試行を数回行う。 各動物は課題を完了するのに1分間与えられ、1日に5回の訓練試行を行う。 獲得期は通常4~5日間続く。 プラットフォームに到達するまでの待ち時間と間違った選択の割合は、手続き学習の関連パラメータとして自動的に計算される。 反転学習を調べるため、光源は元の位置に置いたまま、プラットフォームを廊下の反対側の端に切り替える。 マウスには新しい位置を再学習するために数回の試行が与えられ、ここでもプラットフォームへの到達時間と間違った選択肢の割合の両方が反転学習の指標として測定される。
このテストは、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、ハンチントン病、およびいくつかの精神障害のげっ歯類モデルにおける学習障害の検査に用いられている。 空間記憶を評価する代替テストとしては、モリス水迷路、バーンズ迷路、Y迷路テストなどがある。
図1. 12週齢のR6/2マウスを用いた二者択一遊泳試験。 非トランスジェニックマウスと比較した脱出潜時。 平均値±SEM。 各群n = 14。 二元配置分散分析(Two-way ANOVA)後、Bonferroniのポストホック検定;**p<0.01。
図2. 12週齢のR6/2マウスを用いた二者択一水泳試験。 非トランスジェニックマウスと比較した誤った選択肢の数。 平均値±SEM。 各群n = 14。 二元配置分散分析(Two-way ANOVA)後、Bonferroni’spost hoctest; **p<0.01。