ブドウ糖負荷試験は、臨床および基礎研究において、耐糖能障害のある個体を同定するために用いられている。 その簡便性から、げっ歯類におけるグルコースホメオスタシスの評価に最もよく用いられる生理学的試験である。 耐糖能試験は、腹腔内に注射したグルコース負荷の体内からのクリアランスを測定する。 糖尿病、肥満、心血管疾患、メタボリックシンドロームなどの病態に関連しうるグルコース代謝障害を検出するために用いられる。 耐糖能異常は、末梢代謝組織におけるインスリン抵抗性およびグルコース刺激インスリン分泌障害によって引き起こされる。
標準的なプロトコールでは、検査前に一晩絶食させるか、5~6時間絶食させる。 絶食後、尾の切り口から採血し、ベースラインのグルコース濃度を測定する。 その後、20%グルコース溶液を腹腔内に単回投与し、注射後15分、30分、60分、120分後に血中グルコース濃度を追加測定する。 グルコースは、検査前に校正されたグルコメーターで測定される。 どちらの絶食プロトコールも一般的に認められているが、2つの理由から5~6時間の間欠絶食プロトコールが望ましい。 第一に、一晩の絶食は、推奨されるよりも大きな体重減少につながる可能性があること、第二に、ヒトとげっ歯類の体格と代謝速度の違いにより、げっ歯類で5~6時間の絶食後に得られる結果は、ヒトで使用されるプロトコルに最もよく似ていることである。 性別や系統による違いは、ベースラインの時点ですでに現れる可能性があることに注意することが重要である。
ブドウ糖負荷試験は、一般的にインスリン負荷試験と組み合わせて用いられる。
図:高脂肪食を12週間投与したC57BL/6マウスにおける耐糖能の評価。 ベースライン時の各群の血糖値測定値 (A)、6週間後 (B)および12週間後 (C)の高脂肪/対照食摂取後に測定した。 平均値±SEM。 各群n = 10。 二元配置分散分析(Bonferroni´spost hoctest付き)。 *p<0.05; ***p<0.001。