神経変性疾患における常在脳マクロファージであるミクログリアの重要性はよく知られており、そのためこれらの細胞は新しい薬理学的介入の標的として頻繁に用いられている。
SCANTOXでは、マウスから生後早期のミクログリアを細胞分離することは、この特定の細胞タイプのin vitro分析法として確立され、標準化された方法である。
さらに最近、磁気細胞選別法(MACS)によって成体マウスからミクログリア細胞を分離する方法を確立した。
トランスジェニックマウス、あるいは化合物治療マウスの成体脳から純粋なミクログリア画分を作製することで、治療の有効性を評価するためのさまざまな新しい可能性が開かれる。
遺伝子発現やバイオマーカーの細胞タイプ特異的解析、あるいはこれらの細胞の追加培養や刺激によって、未解決の疑問に答えることができる。
すべての残存細胞を含む画分(フロースルー、FT)と比較したミクログリア画分の純度は、ミクログリアマーカーItgam(CD11b)とアストロサイトマーカーGFAPのmRNA解析によって評価した(図1)。
その結果、ミクログリア画分では、FTと比較してItgam陽性細胞が強く濃縮され(図1A)、ミクログリア画分ではGFAP発現がないか、あるいは極めて少ないことが示された(図1B)。
さらに、細胞型特異的mRNA発現の例として、5xFADマウスから単離したミクログリアにおいて、RT-PCRによるIL-6とMYD88の解析を、非トランスジェニック同腹子と比較して行った(図2)。
興味深いことに、老化した5xFADマウスのミクログリアでは、IL-6発現の高い増加がMYD88発現レベルの減少を伴っている。
図1:以下のRT-PCR増幅グラフ
(A)イトガムと
(B)9.5ヶ月齢のマウスの脳から調製した3つのミクログリアとフロースルー画分におけるGFAP SYBR greenシグナル。 グラフは、1サイクルあたりのSYBR greenシグナルの相対蛍光単位(RFU)を示す。
図2:9.5ヶ月齢の非トランスジェニック(nTG)マウスおよび5xFADマウス脳のミクログリア画分におけるIL-6およびMYD88 mRNA発現レベル。 データはnTGマウスと比較したx-fold変化で示し、棒グラフ+SDで示した(各群n=4-5)。
統計解析:対のないt検定。
*p<0.05; **p<0.01。in vivoモデルのミクログリアの単離をご希望の方は、今すぐお問い合わせください!