進行性運動ニューロン疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、急速に進行する筋萎縮とそれに伴う運動症状を特徴とする。
脊髄の上部および下部の運動ニューロンの変性が、観察される運動機能低下の主な原因であり、アストロサイトーシスや多くの活性化ミクログリアの発生によって観察される強い神経炎症と並行している。
ALSの前臨床モデルであるSOD1-G93A/lowトランスジェニックマウスは、一般的に使用されるSOD1-G93Aモデルと比較して遺伝子コピー数が少なく、G93A変異を有するSOD1を発現しているため、症状の発現が遅延し、生存期間が延長する。
ここで我々は、雄性SOD1-G93A/lowマウスが、生後27週で脊髄の頚部、胸部および腰部腹角でアストロサイトーシスを発症することを示した(GFAP;図1A-C)。
活性化ミクログリアの増加によって決定されるミクログリアシスレベルの変化は、同じ脊髄領域におけるアストログリアシスの変化よりもさらに顕著である。
さらに、活性化ミクログリアは、非トランスジェニック(ntg)同胞(Iba1;図1D-F)と比較して、強い進行を示した。
図1. 雄性SOD1-G93A/lowマウスの脊髄における神経炎症。 24週齢、27週齢、30週齢の雄性SOD1-G93A/lowマウスにおいて、頸部、胸部、腰部腹角の免疫反応性(IR)領域がGFAPで覆われている割合で解析したアストロサイトーシス(A-C)と、同じ脊髄領域におけるIba1 IR領域で解析した活性化ミクログリア(D-F)。G:30週齢の雄性SOD1-G93A/lowマウスの頚髄におけるIba1標識の代表的な画像をntg同腹子と比較した。
二元配置分散分析(Tukey’sおよびSidakの多重比較ポストホック検定付き)。
平均値+SEM。
*p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001。
*遺伝子型間の差;#年齢群間の差。
DH:背側角;VH:腹側角。SOD1-G93A/lowマウスを用いた試験をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください!