老化は、生理機能が徐々に低下し、病気にかかりやすくなることを特徴とする複雑な生物学的プロセスである。
細胞老化は老化の根底にある基本的なメカニズムであり、細胞はストレスや損傷に応答して不可逆的に分裂を停止し、時間の経過とともに組織の機能不全を引き起こす。
老化は、傷害を受けた細胞の増殖を防ぐことにより、腫瘍形成に対して保護的な役割を持つ一方で、老化細胞の蓄積とその炎症性分泌物は、老化の過程と加齢に関連した疾患の発症に重要な役割を果たしている。
老化関連β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)活性のような重要なマーカーは、老化細胞を同定し研究するための貴重なツールとなる。
さらに、主にオートファジーに関与することが知られているp62(SQSTM1としても知られている)は、最近、老化の促進や加齢に関連した病態と関連している。
そこで我々は、老化が加速することで知られるモデル生物であるSAMP8マウスの大脳皮質におけるこれらのマーカーを、老化抵抗性対照マウス(SAMR1)と比較して調べた。
そこで、SAMP8マウスとSAMR1マウスの5ヶ月齢と9ヶ月齢の大脳皮質において、β-Gal活性とp62レベルという2つの重要なバイオマーカーを定量した。
予想通り、SAMP8マウスの大脳皮質では、SAMR1マウスに比べてβ-Gal活性が両齢で有意に上昇しており、SAMP8マウスでは細胞老化が進んでいることが示された(図1
A).
同様に、p62レベルもSAMP8マウスでは両年齢群で有意に上昇しており、SAMR1マウスに比べてSAMP8マウスではさらにオートファジー過程が早期から変化していることが示唆された(図1
B).図1:SAMP8マウスとSAMR1マウスの5ヶ月齢と9ヶ月齢の大脳皮質における老化とオートファジーのマーカー。
β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)活性
(A)とp62タンパク質レベル
(B)は、生後5ヶ月および9ヶ月のSAMP8およびSAMR1対照動物(各群n=4-8)の皮質サンプルで評価した。
二元配置分散分析(Two-way ANOVA)後、ボンフェローニのポストホック検定を行った。
平均値±SEM。
**p<0.01; ***p<0.001。
老化におけるこれらのマーカーとその役割を理解することは、老化研究と治療開発における大きな進歩につながる。SAMP8マウスを用いた老化研究をご希望の方は、今すぐ弊社までご連絡 ください!
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