実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は多発性硬化症(MS)と多くの病理学的類似性を示すため、ミエリン-オリゴデンドロサイト-糖タンパク質(MOG)と百日咳毒素(PTX)を組み合わせて注射することによりMSを模倣するモデルとしてよく用いられる。
C57Bl/6マウスはMOG+PTX投与後約2週間で臨床症状を発症する。
フィンゴリモド(Fingo)は、投与2週間後に臨床症状を有意に減少させることができた(図1a)。
オープンフィールド試験における全動物の評価では、MOG + PTX治療により、飼育行動が完全に減少した。
フィンゴリモドはこの表現型を救うことができなかった(図1b)。
ワイヤー懸垂試験における筋力の解析では、MOG + PTX投与マウスのぶら下がり時間が著しく減少した。
この表現型はフィンゴリモドによって部分的に救済された(図1c)。
MOG+PTX投与マウスの運動協調性は、RotaRod試験で解析されたように、強く損なわれていた。
フィンゴリモドはこの表現型も部分的に救済することができた(図1d)。
MOG+PTX投与マウスはEAEの症状を忠実に模倣しており、したがって多発性硬化症の優れたモデルである。
このモデルは、新規MS化合物の一次スクリーニングツールとして広く用いられている。図1:EAEマウスの臨床症状と運動障害。
EAEを誘発したC57Bl/6マウスについて、臨床症状
(A)、オープンフィールド試験における飼育活動性
(B)、ワイヤーサスペンション試験における筋力
(C)およびRotaRodテストにおける協調運動(D)について、ビヒクル投与マウスと比較した。
(D)をビヒクル投与マウスおよびEAE+Fingo投与マウスと比較した。
n = 13-16/群; 平均値+SEM; Kruskal-Wallis 一元配置分散分析後、Dunnの多重比較ポストホック検定; *p<0.05; **p<0.01; ***p<0.001。
*EAE-車両 vs. Sham-車両; #EAE-フィンゴ vs. EAE-車両。
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