様々な組換えヒトα-シヌクレイン(α-syn)フィブリルの毒性および大脳皮質初代ニューロンへの播種特性をin vitroで評価した。
その結果、単量体ヒトα-synは細胞生存率に影響を及ぼさないが、予め形成された野生型およびA53Tヒトα-syn線維は初代皮質ニューロンに対して毒性作用を有することが示された。
この毒性作用は、オリゴマーアイソフォームによって上回った(図1A)。
試験したアイソタイプのうち、A53T α-syn線維のみが大脳皮質ニューロンへの播種性を示した(図1B)。図1.マウス初代神経細胞におけるα-synプレフォームドフィブリルのin vitro評価。毒性
(A)と播種
(B)マウス初代大脳皮質ニューロンに対する様々な組換えヒトα-syn種(Stressmarq)の特性。
(A)α-syn種で処理し、MTTアッセイで細胞生存率を評価した神経細胞。
(B)α-syn種で処理し、マウスα-synについて免疫細胞化学的に分析したニューロン。
平均値+SD。
Bonferroni post hoc testを伴う一元配置分散分析(対ビヒクルコントロール:VC)。
** p<0.01、*** p<0.001。
図2. 異なる組換えヒトα-syn種(Stressmarq)を播種した後の内因性マウスα-syn蓄積の代表的画像.
Neurons were treated with
(A) monomeric and
(B) A53T preformed fibrils and after incubation immunocytochemically stained for murine α-syn.
Nuclear stain DAPI = blue; murine α-syn = red; scale bar 100 µM.
A53T変異を有するα-シヌクレイン発現マウスin vivoモデル
hA53TtgマウスはマウスThy-1プロモーターの制御下でA53T変異ヒトαシヌクレインを発現する。 この系統M53はC57BL/6Jバックグラウンドで育種された(Chandra et al.2005)。
動物は以下の表現型を示す:
- 野生型マウスと比較してα-シヌクレインレベルが10~20倍高い (Chandra et al.,2005)
- 6ヵ月後のRotaRodテストにおける運動障害(Chandra et al.)
- ワイヤーハンギングテストにおける筋力低下(~8週)(Maki et al.
- オープンフィールドおよび高架式十字迷路試験において、それぞれ10週目および14週目から不安が軽減した(Rothman et al.)
- 平均生存期間は約43週間(Chandra et al.)
上記の表現型はPD病態を忠実に反映しており、hA53T-Sudマウスは薬剤試験に最適なモデルです。一次皮質ニューロンまたはhA53Ttgマウスを用いた試験をご希望の方は、今すぐ弊社までご連絡ください!