ハンチントン病(HD)は常染色体優性遺伝する致死的な神経変性疾患である。
患者は運動機能障害、精神症状、認知障害、代謝異常を呈する。
HDは、ハンティンチン遺伝子HTTのコード領域におけるCAG塩基三重鎖の不安定な反復の拡大のみによって引き起こされる。
発症年齢はCAGリピートの長さと逆相関し、40〜50歳で始まる。
SCANTOXは現在、げっ歯類モデルであるR6/2マウスと BACHDラットに加えて、zQ175DN-KIマウスモデルも提供し、新規化合物のin vivoでの有効性を試験している。
これらのzQ175DN-KIマウスでは、マウスHTTエクソン1が、180-220のCAG反復を有するヒトHTTエクソン1配列に置換されている。
さらに、これらのKIマウスのneoカセットは欠失(DN)している。
zQ175DN-KIマウスの最初の社内評価では、変異HTT(mHTT)が5.5カ月齢の動物の大脳等位部で高発現していることが示された(図1A)。一方、体重は23週齢で有意に減少したが、最初の体重影響は12週齢ですでに見られた(図1B)。
行動障害を評価したところ、zQ175DN-KIマウスは巣作りおよび 梁上歩行試験において有意な障害を示し、それぞれ巣作りスコアの低下および10mm角の梁上でのスリップ回数の増加によって示された(図2AおよびB)。
これらの予備的な結果から、zQ175DN-KIマウスにおける変異型ヒトHTT遺伝子のノックインにより、mHTTレベルが非常に上昇し、その結果、5.5ヶ月齢の時点ですでに体重が減少し、一般的な健康状態および運動能力が著しく低下していることが示唆された。
したがって、zQ175DN-KIマウスは、ハンチントン病に対する新規化合物を試験するための貴重なツールである。
図1:5.5ヶ月齢のzQ175DN KIマウスと野生型マウスの雌雄混合のmHTTと体重の定量。 A: MesoScale Discoveryプラットフォームを用いたサンドイッチ免疫吸着アッセイによる等軸皮質内のmHTT定量化。
WT: n = 3; zQ175DN KI: n = 12。
平均値+SEM。
非対t検定。
B:体重増加。
各群n = 12。
平均値±SEM;シダックの多重比較ポストホック検定による反復測定二元配置分散分析;体重の進行の分析は、両遺伝子型についてTukeyの多重比較ポストホック検定により有意であった(ラベルなし)。
*p<0.05; ***p<0.001。
mHTT:変異ハンチンチン;WT:野生型。
図2. zQ175DN KIマウスとWTマウスの雌雄混合5.5ヶ月齢の巣作りと梁歩行。 A:巣作りのスコアは1が貧弱な巣、5が完璧な巣。
B:10mm角の梁上でのスリップ数。
各群n = 12。
平均値+SEM;Mann-Whitney U検定
(A)または対応のないt-検定
(B).
**p<0.01.***p<0.001。zQ175DN KIマウスを用いた試験をご希望の方は、今すぐお問い合わせください!